sweet,bitter sweet~YUMING

松任谷由実( Matsutoya Yumi ) sweet,bitter sweet~YUMING歌詞
1.やさしさに包まれたなら

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた
やさしい気持で目覚めた朝は
おとなになっても 奇蹟はおこるよ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ

小さい頃は神さまがいて
毎日愛を届けてくれた
心の奥にしまい忘れた
大切な箱 ひらくときは今

雨上がりの庭で くちなしの香りの
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ

カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ


2.瞳を閉じて

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

風がやんだら 沖まで船を出そう
手紙を入れた ガラスびんをもって

遠いところへ行った友達に
潮騒の音がもう一度 届くように
今 海に流そう

霧が晴れたら 小高い丘に立とう
名もない島が 見えるかもしれない

小さな子供にたずねられたら
海の碧さをもう一度伝えるために
今 瞳を閉じて
今 瞳を閉じて


3.雨のステイション

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

新しい誰かのために
わたしなど 思い出さないで
声にさえもならなかった あのひと言を
季節は運んでく 時の彼方
六月は蒼く煙って
なにもかもにじませている

雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう

霧深い町の通りを
かすめ飛ぶつばめが好きよ
心 縛るものをすててかけてゆきたい
なつかしい腕の中 今すぐにも
六月は蒼く煙って
なにもかもにじませている

雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう
雨のステイション
会える気がして
いくつ人影見送っただろう


4.Good luck and Good bye

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

なつかしいあのひとに 人ごみの中で会った
微笑む顔が 少しはにかむの
昔のままだわ

傷ついた恋なのに もう跡形もないのよ
偶然会えたら 泣きだしちゃうと
思っていたのに

ショウ・ウィンドを 横目で見れば
待ち合わせした頃を 想うけど

今はもう 別々の恋人が待つ場所へと
降りだした雨に 追いたてられて
急いでゆくのよ

やっぱりあなた 送ってほしい
わたしのバスが 遠く消えるまで

ふりかえる大通り あのひとに見えるように
混んだバスの くもった窓に書く
大きく Good luck and Good bye
大きく Good luck and Good bye
大きく Good luck and Good bye

Mm… Good luck and Good bye


5.中央フリーウェイ

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

中央フリーウェイ
調布基地を追い越し 山にむかって行けば
黄昏がフロント・グラスを 染めて広がる
中央フリーウェイ
片手で持つハンドル 片手で肩を抱いて
愛してるって 言ってもきこえない
風が強くて

※町の灯が やがてまたたきだす
二人して 流星になったみたい
中央フリーウェイ
右に見える競馬場 左はビール工場
この道は まるで滑走路
夜空に続く※

中央フリーウェイ
初めて会った頃は 毎日ドライブしたのに
このごろは ちょっと冷いね
送りもせずに

(※くり返し)

夜空に続く 夜空に続く


6.卒業写真

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

悲しいことがあると 開く皮の表紙
卒業写真のあの人は やさしい目をしてる

町でみかけたとき 何も言えなかった
卒業写真の面影が そのままだったから

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかって

話しかけるように ゆれる柳の下を
通った道さえ今はもう 電車から見るだけ

あの頃の生き方を あなたは忘れないで
あなたは私の 青春そのもの

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかって
あなたは私の 青春そのもの


7.Hello, my friend

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

Hello, my friend 君に恋した夏があったね
みじかくて 気まぐれな夏だった
Destiny 君はとっくに知っていたよね
戻れない安らぎもあることを Ah.....

悲しくて 悲しくて 帰り道探した
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて

Hello, my friend 今年もたたみだしたストアー
台風がゆく頃は涼しくなる
Yesterday 君に恋した夏の痛みを
抱きしめるこの季節走るたび Ah.....

淋しくて 淋しくて 君のこと想うよ
離れても 胸の奥の 友達でいさせて

僕が生き急ぐときには そっとたしなめておくれよ

悲しくて 悲しくて 君の名を呼んでも
めぐり来ぬ あの夏の日 君を失くしてから

淋しくて 淋しくて 君のことを想うよ
離れても 胸の奥の 友達でいさせて

悲しくて 悲しくて 君のこと想うよ
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて


8.守ってあげたい

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

You don't have to worry, worry,
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから

初めて 言葉を交わした日の
その瞳を 忘れないで
いいかげんだった 私のこと
包むように 輝いてた

遠い夏 息をころし トンボを採った
もう一度あんな気持で
夢をつかまえてね
So, you don't have to worry, worry,
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから
'Cause I love you, 'Cause I love you.

このごろ沈んで 見えるけれど
こっちまで ブルーになる
会えないときにも あなたのこと
胸に抱いて 歩いている

日暮れまで土手にすわり レンゲを編んだ
もう一度 あんな気持で
夢を形にして
So, you don't have to worry, worry
守ってあげたい
他には何ひとつできなくてもいい
'Cause I love you, 'Cause I love you.

So, you don't have to worry worry,
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから
'Cause I love you, 守ってあげたい


9.潮風にちぎれて

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

泳ぐにはまだはやい
よせ来る波 くるぶしまで
あなたの好きな このサンダル
なぜはいてきたんだろう

砂浜にうちよせた
木ぎれひろい 沖へ投げた
あなたと歩いた年月を
けちらしてみたかった

なぜ泣けないのかな
ひどく淋しいのに

吹きすさぶ潮風に
あなたは息を止めていた
かわいい彼女のこと
これから自由に愛しなさいよ

国道に止まってる
小さな車 指さして
うそでも わたしは背をむける
恋人が待ってると

今ふりむいたらなら
心くじけるから

吹きすさぶ潮風に
わたしは まぶた閉じていた
あなたと来なくたって
わたしはもとから この海が好き


10.夕涼み

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

DAYDREAM 灼けつく午後
水撒きしてはしゃいだ あのガレーヂ
HEY! DREAM ゴムホースで
きみがふと呼び込んだ虹の精

みがいたルーフを金の雲が um… 流れた

窓を開けて 風を入れて
むせるくらい吸い込んだね
二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節

STAY DREAM 傾いてく
陽差しの魔法はとてもはかないね
SAY DREAM 願いごとは
叶いそうになったら教えるよ

笑った瞳に細い月が um… 映った

濡れた髪と 焼けたうなじ
むせるくらい抱きしめたね
二人きりの夕涼みは
哀しすぎる記憶

窓を開けて 風を入れて
痛いくらい吸い込んだね
濡れた髪と 焼けたうなじ
痛いくらい抱きしめたね
二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節


11.acacia (アカシア)

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

銀の花が散ってる 風と陽ざしの中で
知らない町に来てる
目を閉じてかすかに響く列車の音に
心はゆられているの

遠く旅をしてても
きっと Do you love me?

今は見えない未来に
たったひとつの道しるべ

銀の花の押し花栞にしてはさんだ
好きな詩のフレーズに
いつの日か誰かと開いて見つけたとき
笑えるような一途さで

やっと出逢えたときは
きっと Do you love me?

なつかしすぎる未来が
たったひとつの探しもの

遠く旅をしてても
きっと Do you love me?

今は見えない未来に
たったひとつの道しるべ

なつかしすぎる未来が
たったひとつの探しもの


12.よそゆき顔で

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

砂埃りの舞う道のわきに
小さなガソリンスタンドがある
松の林と曇った海に
最後の風を喫いに来た

私は明日から変わるんだから
悪ぶってた思い出は捨てる
結婚なんてまだしたくない
けれど今日まで流されて

※よそゆき顔ですれちがったら
いやなやつだとおこってもいい
よそゆき顔ですれちがったら
すきなだけ笑って※

砂埃りの舞うこんな日だから
観音崎の歩道橋に立つ
ドアのへこんだ白いセリカが
下をくぐってゆかないか

いく人かのカップルで昔
追い越したり抜かれたり走った
今の相手はかたい仕事と
静かな夢を持った人

よそゆき顔ですれちがうなら
二度と会えない方がいいのね
よそゆき顔ですれちがうなら
それまでだった恋

(※くり返し)


13.翳りゆく部屋

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

窓辺に置いた椅子にもたれ
あなたは夕陽見てた
なげやりな別れの気配を
横顔に漂わせ

二人の言葉はあてもなく
過ぎた日々をさまよう
ふりむけばドアの隙間から
宵闇が しのび込む

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも

ランプを灯せば街は沈み
窓には部屋が映る
冷たい壁に耳をあてて
靴音を追いかけた

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも

どんな運命が愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
わたしが今死んでも


14.雨の街を

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

夜明けの雨はミルク色 静かな街に
ささやきながら 降りて来る 妖精たちよ

誰かやさしくわたしの肩を抱いてくれたら
どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう

庭に咲いてるコスモスに 口づけをして
垣根の木戸の鍵をあけ 表に出たら

あなたの家まですぐにおはようを言いにゆこう
どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう

夜明けの空はブドウ色 街のあかりを
ひとつひとつ消していく 魔法つかいよ

いつか眠い目をさまし こんな朝が来てたら
どこまでも遠いところへ歩いてゆけそうよ

誰かやさしくわたしの肩を抱いてくれたら
どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう

誰かやさしくわたしの肩を抱いてくれたら
どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう


15.ナビゲイター

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

サイドシートにおまえを感じれば
地図がなくても行けると あなたは言う
私のことがわずらわしいときは
少しラジオを 大きくして

おかしすぎて 涙が出る
今がうそみたい
みんな捨てて どこでも行く
何だってやる

真昼の太陽 埃にかすむ日も
ライトの帯が 地平を照らすときも
同じ景色に 心を動かして
バックミラーで ほほえみ合う

おかしすぎて 涙が出る
今がうそみたい
みんな捨てて どこでも行く
何だってやる

本当の私を見つけて
今より愛して
みんな捨てて どこでも行く
何だってやる
みんな捨てて どこでも行く
何だってやる


16.海を見ていた午後

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って きょうもひとり来てしまった
山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった

あのとき目の前で 思い切り泣けたら
今頃二人 ここで海を見ていたはず
窓にほほをよせて カモメを追いかける
そんなあなたが 今も見える テーブルごしに
紙ナプキンには インクがにじむから
忘れないでって やっと書いた遠いあの日


17.A HAPPY NEW YEAR

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

A Happy New Year!
大好きなあなたの部屋まで
凍る街路樹ぬけて急ぎましょう
今年も最初に会う人が
あなたであるように はやく はやく

A Happy New Year!
新しいキスを下さい
そして鐘の音 通りにあふれて
今年も沢山いいことが
あなたにあるように いつも いつも

A Happy New Year!
今日の日は ああどこから来るの
陽気な人ごみにまぎれて消えるの
こうしてもうひとつ年をとり
あなたを愛したい ずっと ずっと

今年も沢山いいことが
あなたにあるように いつも いつも


18.ジャコビニ彗星の日

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

夜のFMからニュースを流しながら
部屋の灯り消して窓辺に椅子を運ぶ
小さなオペラグラスじっとのぞいたけど
月をすべる雲と柿の木ゆれてただけ

72年 10月9日
あなたの電話が少いことに慣れてく
私はひとりぼんやり待った
遠くよこぎる流星群

それはただどうでもいいことだったのに
空に近い場所へでかけてゆきたかった
いつか手をひかれて川原で見た花火
夢はつかの間だと自分に言いきかせて

シベリアからも見えなかったよと
よく朝弟が新聞ひろげつぶやく
淋しくなればまた来るかしら
光る尾をひく流星群


19.NIGHT WALKER

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

あなたの友達に街で会えば
私はどんな顔すればいいでしょう
今も苦しい気持さ とられぬように
ネオンに照らされ 踊ってみせるだけ

ペイヴメントは夜更けの通り雨
みんな急ぎ足
孤独のドアを叩き合いはしない
私のことを傷つけてつらいと
ひとに云わないで
すぐにすぐに忘れてしまうのに

次々消えてゆく店の灯り
心をかりたてるシャッターの音
あの頃のあなたへハネをあげながら
走ってゆきたい どんなに遠くても

私を置いてゆくのならせめて
みんな持ち去って
あなたが運んでくれた全てを
私のことを傷つけてつらいと
ひとに云わないで
すぐにすぐに忘れてしまうのに

私を置いてゆくのならせめて
みんな持ち去って
あなたが運んでくれた全てを
ペイヴメントは夜更けの通り雨
人もネオンも
蒼い蒼い河を流れてゆく


20.Autumn Park

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

見つめさせて少し あなたの瞳の奥を
オールを漕ぐ水の輪の
きらめき映したその向こうを

どちらか先にいつかこの世を去る日が来ても
大好きなまなざしを
私はずっと覚えていたい

水鳥も雲も私達といっしょに浮かぶ

今日の日がゆっくり
過ぎてゆく 音も無く
離れゆく時へと 少しづつ

あなたと会えなくなる 運命は思いつかない
どうしても どうしても
今 私には思いつかない

金色の夕映え讃えるように色づく木々

今日の日はゆっくり
燃え尽きる 知らぬまに
離れゆく時へと 少しづつ

いつか生まれ変わり 別の人になっても
あなたを探してる 私を見つけて

コートの腕をくみ 辺りを歩く恋人達

今日の日をありがとう
或る午後の 或る Autumn Park
今日の日を心にいつまでも


21.シンデレラ・エクスプレス

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

ガラスに浮かんだ街の灯に
溶けてついてゆきたい
ため息ついてドアが閉まる
何も云わなくていい 力を下さい
距離に負けぬよう

シンデレラ 今 魔法が
消えるように列車出てくけど
ガラスの靴 片方 彼が持っているの

あなたの街を濡らす雨は
もうじきここまで来る
私は傘をささず帰る
笑顔だけ抱きしめて
出逢えたことをとても感謝して

シンデレラ 今 魔法が
消えるように列車出てくけど
ガラスの靴 片方 彼が持っているの

意地悪なこのテストを
私はきっとパスしてみせる
同じ時間生きるの
どんな遠くなっても


22.ダンデライオン ~遅咲きのたんぽぽ~

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

夕焼けに小さくなる くせのある歩き方
ずっと手をふり 続けていたいひと

風に乗り飛んで来た はかない種のような
愛はやがて来る 冬を越えてゆく

きみはダンデライオン
傷ついた日々は 彼に出逢うための
そうよ 運命が用意してくれた
大切なレッスン
今 素敵なレディになる

つみとってささげたら ひとに笑われそうな
私にできる全てをうけとって

ふるさとの両親が よこす手紙のような
ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる

きみはダンデライオン
本当の孤独を 今まで知らないの
とても幸せな淋しさを抱いて
これから歩けない
私はもう あなたなしで

とても幸せな 淋しさを抱いて
これから歩けない
私はもう あなたなしで


23.ノーサイド

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

彼は目を閉じて 枯れた芝生の匂い 深く吸った
長いリーグ戦 しめくくるキックは ゴールをそれた

肩を落として 土をはらった
ゆるやかな 冬の日の黄昏に

彼はもう二度と かぐことのない風 深く吸った

何をゴールに決めて
何を犠牲にしたの 誰も知らず
歓声よりも長く
興奮よりも速く 走ろうとしていた あなたを
少しでもわかりたいから

人々がみんな立ち去っても私 ここにいるわ

同じゼッケン 誰かがつけて
また次のシーズンを かけてゆく

人々がみんなあなたを忘れても ここにいるわ

何をゴールに決めて
何を犠牲にしたの 誰も知らず
歓声よりも長く
興奮よりも速く 走ろうとしていた あなたを
少しでもわかりたいから

人々がみんな立ち去っても私 ここにいるわ


24.静かなまぼろし

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

通りのドアが開き 雑踏が迷い込む
そのときまぼろしを見てる気がした
小走りのシルエット ガラスを押して
あなたが店に入ってきた

もしも微笑み この席で向き合えば
時は戻ってしまうの遠い日に

全てをわかち合い 歩いた二人が
今では柱越し別のテーブル
誰かとメニュウを選ぶささやき
ふりむく勇気がなかった

会わない日々を云いつくす言葉など
もういらないの気づかずいて欲しい

昔の恋をなつかしく思うのは
今の自分が幸せだからこそ
もう 忘れて


25.消息

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

向い側 ホームの端に
あのひとが立っていた
雨降りの線路を隔て
みずいろのセーターがうるんで

呼べずに呼べずに 風が来て
私の背中を発車の笛が押した

知るひとは燃えつきたと思うでしょう
今はもう
連絡もとることなく
行きつけの店もなく…それでも

愛して愛していることを
ガラスにもたれた瞳を読みとって

そのとき苦しみが 消えてゆくのを見た

※呼べずに呼べずに 時は去き
電車はカーヴで煙った点になる
愛して愛しているうちに
私はあなたのグレイの汚染になる※

呼べずに呼べずに 時は去き
電車はカーヴで煙った点になる
愛して愛しているうちに
あなたは私のグレイの汚染になる

(※くり返し)


26.幸せになるために

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

話すことは 沢山ありすぎるけど
黙って そのなつかしい顔を見せて

やっと忘れた あなたを会わせるなんて
月日は なんて気まぐれなことするの

眠れない夜の中を縮めようと走った距離

明日になれば あなたに会える
そう ただそれだけのために
もっと素直に もっとやさしく
もっと強くなろうとしてきた

そして二人はなんにもなかったように
もと来た それぞれの道を戻ってく

照らされた朝に染まり あなただけの笑顔見せて

明日になれば あなたのことは
もう 思い出さないでしょう
私にとって あなたにとって
もっと幸せになるために

明日になれば あなたに会える
そう ただそれだけのために
もっと素直に もっとやさしく
もっと強くなろうとしてきた


27.霧雨で見えない

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

なつかしさに ぼんやりバスを降りた
橋の上 霧雨の水銀燈

探しはしないと誓った
忘れた日はなかった
まつげに停まった光が
ふるえて 見えない

歩きだせば 追い越すヘッドライト
長い影 生まれては消えてゆく

※きらったのじゃないと云った
すぐ戻ると信じた
胸に降り続く光が
あふれて 見えない※

時よ速く流れて 雨よひくく流れて
淋しさを呼びさますこの世界を
どこかへ消して

探しはしないと誓った
忘れた日はなかった
まつげに停まった光が
ふるえて 見えない

(※くり返し)


28.雪だより

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

赤いダウンに腕をとおしたら
それは素敵な恋のはじまり
山の雪だより
サッシのベランダ 想いは屋根を越え

去年スキーで出会った人から
淋しい部屋に絵葉書とどいた
ふいの贈りもの
木枯らしに乗って ポストに舞い降りた

いっしょにすべる約束を忘れずにありがとう
すぐにたずねてゆくわ
まぶたが痛いほどの白い村へ

失恋したの少し前 あなたに話しましょう
そして粉雪けって
ふもとの谷へ急ぐ風になるの

エッジのキズを息かけてみがく
それは素敵な季節のはじまり
山の雪だより
机のラジオにじっと耳をよせた
冬ごとにとどく やさしいラブレター
冬ごとにとどく せつないラブレター


29.ロッヂで待つクリスマス

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

小さなつむじ風が
尾根をかけ降りるたびに
縞模様 広がる
月のゲレンデ 夢を見るように
私はガラスにほほよせる

ゲームにはしゃぐ人も
炎を見ていた人も
いつか おもてに出て
熱のある日は部屋に残された
子供の私がよみがえり すわってる

きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアも越えて心は滑る
やがて響きわたる花火の音を
ロッヂで待つクリスマス

キャロルを口づさめば
わけもないなつかしさを
伝えたくなるから
町の誰かにカードを書くけど
素敵な言葉がうかばずに 目を閉じる

きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアも越えて心は滑る
やがて響きわたる花火の音を
ロッヂで待つクリスマス

銀の月の影を 抱きとるように
森も谷も越えて心は滑る
きっとちがう明日が訪れそうな
ロッヂで待つクリスマス


30.One more kiss

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

One more kiss
One last kiss 春の雪 瞼に
ふれる前に消えてゆく

かすかに息を吹きかけたら
時は回るゆっくりと

芽吹きはじめた花壇のすみ
わかって欲しい見えない想い

Leavin' Leavin' 忘れない
もうすぐ遠くなる

One more kiss
When I miss 綿毛雪 あなたが
わけてくれた夢の種

ぬくもり知った胸に抱いて
そっとそっと育てるわ

うちあけなかった言葉たちは
季節のたびに花を咲かせる
ささやきかける

Leavin' Leavin' ここにいて
もうすぐ遠くなる

Leavin' Leavin' 忘れない
もうすぐ遠くなる


31.春よ、来い

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつ ひとつ香り始める

それは それは 空を越えて
やがて やがて 迎えに来る

春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする

君に預けし 我が心は
今でも返事を待っています
どれほど月日が流れても
ずっと ずっと待っています

それは それは 明日を越えて
いつか いつか きっと届く

春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く

夢よ 浅き夢よ 私はここにいます
君を想いながら ひとり歩いています
流るる雨のごとく 流るる花のごとく

春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする

春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く